「お節の真実?|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」


この時期になるとこんな文言が付いたカタログを食材業者が持ってくる。世界に誇る 日本の究極の 食文化 「おせち」

「ふむふむ、今年はどれをいれようか・・・」
とか、考えるかい!全部既製品てどないやねん!!

そりゃね、自分で造れない物もあるよ。しかし100%既製品で、

世界に誇る 日本の究極の 食文化 「おせち」

はいくらなんでもないだろうに。なんだか切ない。

正直、仕出しの弁当には既製品をいくつか使っている。
既製品をまったく使っていない完全手造りのお弁当は基本3000円以上もらわないと造らないし、正直造れない。

既製品でも工場生産でも良い人はこの話はスルーしてもらって全然かまわない。

しかし、なぜこんな事を書いているのか?

「騙されてた気がする・・・」
と今働いてくれているスタッフさんや、うちの母親がカタログを見ながらこんなコメントをしたわけだ。

多くの人は「この値段だから当然、手造りでしょ」「有名店だから」などという思い込みというか、そう信じて疑っていない。しかし、現実はどうだろうか?自分もすべてのお店のすべての内容を知っているわけではないが、
100%既製品のおせちが存在してもおかしくは無いと確信している。そしてすべてを板前の手造りで仕上げているお店も確実に存在している。

最近はやや忘れられつつある「偽装問題」。
発端は実はディズニーランド。夢を売る国が「偽装」していた。それから有名ホテルグループや有名料亭、有名しゃぶしゃぶチェーン店なども「偽装」が発覚(公表)したわけだ。「お金返します」ですめばいいのか?そんなはずはない。お客さんが知らないことや気が付かないことをいいことに「偽装」するなどあってはならない。

既製品まみれのおせちが「偽装」だとは言わない。内容がどうであれ「有名店」や「有名ホテル」がほしい方も沢山いるであろう。おせちならコンビにでもなんでもいい人もいる。おせちに何を求めるかでほしい商品は変わるだろう。それを自分は否定するつもりは全くない。

以前書いたかと思う(多分)が、自分のおせちは
「心意気」や「情熱」を形にしている。既製品は便利だ。しかし、それを使っても自分の場合、「心意気」や「情熱」を表現することはできない。

色々と迷ったあげく、今年は
「造って」と言ってくださった方にだけにお造りすることにした。なのでHPでお知らせすることも、ブログで告知することも、広告を出すこともしない。商売人というか、経営者としては失格だろう。そんなことは自分が一番理解している。

世界に誇る 日本の究極の 食文化 「おせち」

自分もそう思う。だからこそ今年も自分の「信念」「情熱」を思い切りつめこんだおせちを造ることにした。売れる、売れないは置いといて。

カタログの商品はまったく役には立たなかった(スタッフさんは面白がって見てた、これ、食べたことあるー、とか言って結構楽しそうだったが、コメントは上の通り)が、自分を再確認できる良い機会になった。そういう意味ではありがたかったかもしれない。

内容も価格も何も決まっていない中、大塚様、長谷川様、柳田様、岡様、をはじめご予約してくださった皆様、本当にありがとうございます。今年も好き勝手やらしてもらいます。大いに期待してください。多分今年も色々とやらかします。

予定では12/3(土)までご予約を承ります。
気になった方はご連絡ください。

追伸:
ここまで書いたらさすがに「残念お節」は作れない。
「騙された気がする」なんて言われたくないし(笑)。
この追い込まれた感がたまらない。アイデアを引っ張りださねば・・・。ということで今から調べ物をする。
にしても、毎年この手のカタログをみるとなんだかガッカリしてしまう。

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西中洲の和食「ゆるり」
接待やお祝いのお席に、個室でゆっくりとお食事をお楽しみください。
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