数の子は三度漬け:福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり


数の子は三度漬け直しする。

お正月に向けて数の子が旬の盛り

おせちにも欠かすことのできない「数の子」。鰊(ニシン)の卵、卵巣です。コリコリ、プチっとした歯ごたえがたまりません。料理屋さんなりの漬け方、作り方がありそれぞれ個性があって面白い料理でもあります。

基本はまず「塩抜き」

漬け込んである「既成品」以外は塩蔵してある「塩数の子」ですね。味付けする前に「塩」を抜きます。まずはさらしで薄皮を剥いて流水にさらして塩気を抜きます。自分は「塩味なんて必要ない」と思っているので半日は確実、ものによっては丸一日流水にさらします。抜けたかどうかは見た目ではわかりませんので「食べて確認」です。

味付けをしていく。

まずはホワイトリカーなどの「アルコール」で殺菌をかねて一度洗います。間違っても漬け込まないように、さっと洗います。

一度目の漬け出汁は水4:酒1:味醂0,5:薄口1を合わせた物に半日漬け込みます。数の子の水気を抜いて出汁が入りやすくするための下準備といったところです。二度目からは数の子に味を漬けるための漬け込みになります。

二度目は一番出汁5:酒1:味醂0,5:薄口1、鷹の爪を入れて一度沸かしてから冷ましたものに一日漬け込みます。味見をして味がしみていたらOK。少し薄い場合は後半日ほど漬け込みます。

三度目は同じ出汁を新しく作り漬け込み、上にリードペーパーを被せ「さしかつお」をします。ここまでくれば半日ほどで美味しく漬かります。最後の漬け込みでくっきりとしたカツオの味あじと風味をつけて完成です。

他にはこんな漬け方も

塩抜きした後は他の漬け方でも楽しめます。濃口醤油ベースの鼈甲漬けや酒粕に漬ける粕漬、味噌でつける味噌漬もおすすめです。いづれも生で食べれるように他のものを漬けた粕床、味噌床ではなく新しいもので漬けましょう。

できることなら

ワインやビールではなく「日本酒」でお楽しみください。ワイン、ビールはちょっと「魚臭さ」が気になります。やはり日本酒が一番相性が良いです。

残ったからといって漬け込んだ後に「冷凍」はあまりお勧めできません。どうしても一番大切な食感が落ちてしまいます。食べきれる量を漬け込んで楽しんでください。ちょっと物足りなかった・・・、という時は来年まで我慢しましょう。来年の楽しみが一つ増えて良いではありませんか(笑)

数の子に限らず作り方は結構マニアックです。特におせち用は水分を出来るだけ取り除くので味をしっかりと含ませておく必要(濃い味という意味ではなく、薄味でもしっかりと、という意味です)があります。そういった意味でもしっかりと仕事はしておく、当たり前のことだと個人的には思います。

そろそろおせちのご予約も終了いたします。

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