虎河豚(とらふぐ)の季節到来:福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり


虎河豚(とらふぐ)の季節到来です。

夏河豚とか一時期流行ましたが、

やはり虎河豚は冬が一番です。養殖、天然ともに通年手に入れることはできますが、やはり冬の季節こそ旬と言えるでしょう。因みに「夏河豚」は本来は鯒(こち)の事を指します。夏場の脂が少ない鯒の料理、特に薄作りを河豚に例えた料理です。上手く言い当てたとも思いますが、全く別物です。夏には夏の「旬」を味わっていただきたいと思います。

養殖か?天然か?

断然「天然」が旨いのは概ね間違いないです。ただし養殖よりは「高い」。専門店などはそれなりの値段で用意できるのでしょうがそれでもかなりの高級品なのは言うまでもありません。また、「養殖」と一言で言いますが「海上養殖」「陸上養殖」、産地等でも価格は変わってきます。品質的な問題はほとんど無いと考えてはいますが、種魚(育てる前の稚魚)の多くは中国からの輸入が占めています。養殖が「不味い」とは全く思いませんし「美味しい」と思いますが、天然には「更に上の旨さ」があります。

元祖「熟成魚」ともいえる。

「熟成魚」は一時期持て囃されましたが、実際にきちんとした手順で「熟成」を行っているお店は少ないと思いますし、正直、理由はさて置き、「養殖魚」が熟成に耐えうるとは思えません。特に脂が多く含有している魚に関しては熟成の速度より脂の酸化の速度が速いのでかなりの知識や熟練度や機械的な装置への設備投資が必須と考えられます。

話は少しそれましたが天然、養殖問わず、河豚は脂分が非常に少ない魚です。水分をある程度とりながら熟成(蛋白質を自己分解し、アミノ酸=旨味に変える)という作業がしやすい、そしてする必要がある魚です。脂の旨味がほとんど無いので「身そのものの旨味を引出す」必要があります。そのためさらしなどできつく締め、水分を抜きながら2、3日熟成させます。その熟成を経て初めて「美味しく」食べる事ができます。熟成の作業は河豚にとっては必須といえます。昔から行われてきた工程と考えると「元祖熟成魚」と言っても過言ではありません。

太ったものよりも細っそりとスマートなものを。

魚=太ったもの、ずんぐりしたもの、が良品という常識が「虎河豚」には通用しません。確かに「沢山身が取れる」という点では虎河豚にもお当てはまりますが、「旨さ」という点では当てはまりません。先ほど述べた通り、「脂の旨味」はほとんど、いや、全くないと言っても良い魚です。ですので「身が太い」=「身に締りが無い、水分が多い」ということになります。旨味の含有率が低いということです。また食感も全く違ってきます。旨さを追求するのならば、細っそりしたスマートなものを選ぶべきです。

河豚の旨味を味わいたいなら

ポン酢や薬味、柑橘は控えめに。ポン酢に薬味を全部入れて、ジャブジャブポン酢に漬けたら「ポン酢と葱の味しかしない」といったことになってしまいます。少し少なめにが美味しく食べられるちょっとしたコツです。ゆっくり噛んで召し上がって下さい。

河豚のコースもご予約承ります。献立は要相談です。

河豚食べたいな、と思ったら 092-725-6870 ゆるりまで