高くても良い人向け。高級?献立:福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり


タイトルには「高級」とつけましたが、国産の活物使えばそりゃ、高くなりますって話です。

一言で「伊勢海老」と言っても、色々いますし、「あわび」と言っても海外産の「あわび」かもしれませんし、韓国産の養殖かもしれません。一般的に「高級食材」と言われるものもピンからキリまでありますが、やはり天然、国産が経験上、一番おすすめです。

では、献立を。

水無月 吉日 お献立

先附  水無月豆乳羹 雲丹 車海老 喰い出汁

椀   清汁仕立 鯒芋茎巻と魚素麺 焼椎茸 蛇の目人参 小メロン

造里  鱧落とし 鱸海鼠腸和え 縞鯵奈良漬博多

焼物  あわび肉巻 もろこしバター醤油 焼おくら 河海老

煮物  伊勢海老黄金煮 翡翠茄子 蓮根餅 隠元

止肴  うざく胡瓜 針茗荷

食事  合鴨と新牛蒡の炊込ご飯 小芋赤出汁 大根浅漬

 

先附は小豆を使った水無月という銘菓を模した料理です。三角形に切り付けるのが決まりです。豆乳を寒天で寄せるのですが単純に面白みに欠けるので、生雲丹と車海老の酒煎りを混ぜて固めます。固まる前に上の面に小豆をびっしりと敷き詰めます。濃口合わせの出汁でいただきます。

お椀は鯒の身で芋茎を巻いて蒸しこみます。魚素麺は引き筒という道具で手作りします。人参、小メロンを蛇の目に包丁し、焼椎茸とともに盛り付けます。

お造りは変化球ばかりになってしまいました。鱧の落としは煎り酒で、鱸は短冊に包丁してこのわたで和えます。縞鯵はスライスした奈良漬で挟んで、塩気と酒粕の風味を付けます。鱸、縞鯵は普通の刺身も添えています、同種、食べ比べですね。

焼物は国産鮑を酒蒸しにします。柱は取り除き、赤牛のロースで巻き炭火で焼きます。玉蜀黍は醤油焼にし、果実だけを取ってミキサーにかけ、裏ごしし、出汁でのばしてバターを加えソースにします。おくらは一度浸しにし炭火で炙ります。河海老は素揚げにし塩を振ります。夏っぽいものを作りたかった、それだけです。

活伊勢海老は身を取り外し、卵黄をまぶして黄味煮にします。頭は適当な大きさに切り、えら、砂袋を外して別に炊いておきます。小茄子は皮を剥き、翡翠煮に蓮根は摺り下ろして軽く直鍋で練った後、丸に取りながら炊いていきます。色よく盛り込んで隠元を飾ります。「伊勢海老料理で食べた事なさそうなやつ」ってリクエストでした。

普通に「うざく」、鰻と胡瓜の酢の物です。珍しく「酢の物」が〆です。

ご飯は合鴨と新牛蒡を使った加薬ご飯です。鴨の胸肉は皮をとって包丁で荒挽きミンチにします。ご飯を炊く出汁でさっと湯がいておきます。皮もミンチにしてフライパンでカリカリになるまで炒めます。笹がき牛蒡、荒挽きミンチと共にご飯を炊き、仕上げにカリカリの皮を加えよく混ぜます。

それにしても雨降らんなぁ、とか思っていましたが今週末は雨みたいです、ちょっと憂鬱ですね。個人的には雨靴、カッパが大活躍するシーズンです。