細い、細かい方が良い物・・・:福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり


これは細い、細かくないと気に入らないんです。

と後輩達には言ってきました。賛否はあるでしょうがこう考えています。

1、大根けん

刺身についてる大根です。中途半端な太さが一番いけません。細いかそれなりに太く切るかどっちかにしましょう。胡瓜や人参のけんも同様。細--く切ったものが好きです。

2、針生姜

太い意味がわかりません。それマッチ棒かい!と突っ込みたくなってしまうと残念の極みです。太く切る目的があるならまだしもただ「切る技術がない」ならもっと残念です。生姜の味、風味がほしいなら露生姜(生姜の搾り汁)でよくないですかね?

3、白髪葱

太くて「白髪」はないだろうに・・・。葱の風味が・・・っていうならそもそも考え方がどうなのか?むっちゃ水で晒すんでしょ?風味も何もないでしょう。ほどほどの風味しか残りません、というか残さない方法です。細く、ふわっと切るのが白髪葱です。

4、打ち葱

あんまり太いと「全部、葱の味」になりますよ。「薬味」ですから完全に脇役、主張のしすぎはあきません。河豚とか平目に太っとい葱が添えられてると個人的にはがっかりです。「この魚そんなに臭いんか?」って意地悪ツッコミしそうです。葱メインの料理ならどう切ろうと良いとは思いますが。

この手の仕事は見た目重視。味、風味よりも見た目。だから細くて細かくないと気にいらないのです。味は補完できますから。細くて細かい方が綺麗だし美しい。と、いう変なこだわりの話でした。

「神々は細部に宿る」なんて事を誰かがいいましたが、神々が宿るかどうかは知りません。ただ、細くて細かいもの、というか細く、細かく切る、美しく切ることは和食、日本料理の板前の必須条件だと考えています。

包丁仕事の腕は一生掛けて研くものです。

まぁ、後輩達にはこんなに優しくは言ってないですが(笑)