「すっぽんの焼物|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」



今日は焼物のお話。

日本料理、和食には大体出てくる。
ゆるりでもまぁ、出す、毎回(笑)。

会席、懐石の流れの中に昔から組み込まれてるから、
なんていう「おざなり」というか、後ろ向きな理由で出すなら出さないほうがよい。

自分は焼物が好きである。焼くのも、食べるのも。

素材選びから始まって

味付け(西京焼、柚庵焼、若狭焼など)
串の打ち方〔平串、登り串、妻折、方妻折など)
焼き方(例えば鰻の江戸焼は、白焼き→蒸す→また焼く、とか、笹で巻いて焼くとか、杉板ではさむ、塩釜とか・・・)

などなど、皿に盛るまでの工程、経路は無限にあるといっても良い。

ゆるりではシンプルなときもあれば、
エキサイトして焼物なのに5種盛りにすることも。
そうなると工程が複雑すぎて正直、ぴりぴりしている。
タイミング重視の集中力勝負。
また、食材のにおいは加熱時に顕著に現れるので出来る限り鮮度の良い食材を使いたい。

今回はシンプルに一種類。

「すっぽんたれ焼」

この日はすっぽんのコース的なご予約だったので、
すっぽんをふんだんに使ったのだが、
ゆるりは「すっぽん料理屋」ではないので、

「日本料理屋としてのすっぽん懐石」

といった感覚でお作りした中の一品。

すっぽんをばらして、下処理して、炊く。
身がほどほどに柔らかくなったら、骨を抜く。
たれを塗りながら艶がでるように焼いていく。
三度くらいで仕上げるのが理想的。
でも三度塗ればいいというわけではない。

あしらいに名残慈姑の煎餅や白アスパラの揚げ浸し、タラの芽を添えて、春らしい感じに。

魚とも肉とも違う、

でも日本料理らしい風情はたっぷりだ。

焼物とはただ「焼く、火にくべる」にあらず。
きっちりと「焼き上げて」こそ、
お客様に楽しんでいただける焼物になる。

技と工夫を詰め込んだ焼物をゆるりで楽しんでいただければ最高だ。

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西中洲の和食「ゆるり」
接待やお祝いのお席に、個室でゆっくりとお食事をお楽しみください。
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