「蛤のお椀と季節の風景|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」


春になって水が少し温かみを帯びてくる頃には
蛤が美味しくなってくる。近年では通年出回っているが、やはり「春」には欠かせない。蛤と一言でいっても、国内流通の9割は、
「シナハマグリ」「チョウセンハマグリ」で、
稚貝を輸入し、国内で育成されたものである。
その他、東南アジアから輸入されているものも
最近ではあるようだ。今回は国産の蛤(ヤマトハマグリとか古代蛤とか言われる)の大振りなところをお椀に。よくいう「はますい」です。

献立を起こすなら、

「潮仕立 夫婦蛤 桜花人参 大黒占地 華蓮根 うこぎ」

といったところか。

日本料理のお皿には「季節の風景」を盛り込む。
綺麗な盛り付けや盛り込みを
「景色が良い」とか言ったりもする。

なんでもかんでも派手にもれば良い物でもなく、
ほどほどに、良い塩梅で仕立てたい。
盛り付けに手間取って冷めては台無し。

ゆるりではお客様が見えてから貝を開ける。
やはり出来たて、開けたてが美味い。
身のふっくら、ぷっくりした感じがたまらないし、
蛤独特の風味がまたなんとも言えず・・・。

良い蛤の出汁ならば、余計な塩や醤油も不要だし、
蛤の吸い物として提供したいなら
鰹出汁で伸ばしたりももってのほか。
「旨味の相乗効果」とか言う人もいるが、
蛤の本質は半減するといったところか。

ともあれ、「春」の景色をお椀で表現するのはなかなか難しい。
見た目よりむしろ、味や風味で感じていただきたい。

もうすぐ春が本格的に訪れる。
心躍る「日本の風景」を
「日本料理」で表現していきたい。

——————————

西中洲の和食「ゆるり」
接待やお祝いのお席に、個室でゆっくりとお食事をお楽しみください。
福岡県福岡市中央区西中洲1-14 プロスペリタ西中洲4F
TEL:092-725-6870(完全予約制)
————————————————