「天然大とろ握り|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」


最近、お造りを三つないしは、四つに分けてお出ししている。よくある「盛合わせ」も良いのだが、「食べる順序」で残念な味になる事もあるので出来るだけ避けている。

鮪はお造りの最後にお出しする。中トロを使う事が多いが、養殖しか手に入らない場合は赤身に近い部位を使う。やはり養殖の場合は「脂」のノリがややきついのでなるべくさっぱりする赤身に近くさっぱりした部位が良いように思う。

今回は鳥取県産の天然鮪の大トロである。魚体はあまり大きくないが身質は申し分ない。脂もすっきりとしており、鮪独特の酸味と旨味のバランスも丁度良い。

自分は大トロの旨味を一番味わう事ができる調理方法は「握り」にする事だと考えている。刺身の場合、脂の強さ故に、「醤油がのらない」という不具合が生じる。そのまま口に入れても「脂」の味しか感じる事ができない。「脂信仰者」は其れで良いが、ならば「脂」だけ食いやがれとかいう毒はいいとして、しゃりと合わせて口に入れることで「脂の旨味」「鮪本来の旨味」を感じる事ができる。しゃりの良いところは「何にでも合う」そして、「邪魔をしない」こと(勿論、ネタとのバランスもあるのは言うに及ばず)。今回は「一口サイズ」、よく言うところの「シャリコマ」で二貫お出しする。やはり生山葵は欠かせない。

正確には「お造り」ではない。が「お造り」の本質は「生魚を一番美味しく食べること」であるならばこれも在りだ。

特別変わった事をしたいわけではないし、奇抜さを狙っているわけではない。簡単な話、「自分は美味しい物を作って食べてもらいたい」それだけ。理由なんてそれで十分だと思う。

追伸:鮪は赤身も美味しい。ヅケと白飯。最高です!

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西中洲の和食「ゆるり」
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