「宝玉の炊き合わせ|福岡、西中洲の和食、日本料理 ゆるり」


以前造った炊き合わせの話

「宝玉」「宝珠」と言われる煮物の仕事。
野菜を「玉」に見立て包丁し炊き合わせとする。ここでは人参ではなく、車海老を使ってるね、多分人参だとご馳走感が無かったのだろう。自分でも思うが、「めんどくさい仕事」好きだね。
丸く剥いて、炊く。だけの仕事といえばそれだけ。大変なところは大きさを合わせる事くらいか。あとは常日頃の煮物と大差はない。

7月に「慶事の祝い」のご予約をいただいている。
正確には「婚儀」の礼である。
仕入れあっての献立とはいえ、ある程度の仕来たりや昔ながらの決まり事は守りたい。
使ってはいけない食材としては、

あわび→磯のあわびの片思いとかなんとか※でも熨斗(のし)あわびはいいらしい。
鮎、鮭、鱒→子供(玉子)生んだら死んでしまうので
山鳥(きじ等)→夫婦が別々に生活する習性があるから

とかなどなど。名前を変えれば使って良い物、例えば梨は「無し」だとよろしくないので「有の実」と名前を変えて使うならよいとか。「とんち?屁理屈?」とツッコミたくなるものもある(笑)。また、鯛と海老は紅白でおめでたい感とご馳走感がハンパないとの理由からか婚礼に限らず献立に何度登場しても良いという裏技的な決まりもある。食材だけではなく、調理の仕方、盛り付け方にも勿論、決まり事が存在する。また、地域によっても特色、特徴がある。

献立も書き方を少し変えて書いたりする。ここは人によって違いはあるが、
先附などは「お座附」と書いたり、前菜、前肴は「祝肴」(盛り込みが祝いの品であることが前提である)としたり、焼物は「家喜物」、煮物、炊き合わせは「多喜合」と言った具合に変えることがある。

決まりや仕来たりは「ある程度」守る。しかし、無駄に「堅苦しい献立」も楽しさに欠ける。せっかく家族が揃うのであれば「楽しい食卓」であってほしい。どのような献立を作るかはまだわからないが、慶びのある献立をお届けしよう。

祝い事はどんなときでの良いものだ。

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西中洲の和食「ゆるり」
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